言葉
私は、将来やりたいことのため、建築学科の道に進んだ。
自分は何かを作りたいという気持ちが昔からあった。
けれども、大学へ進むと周りにもっとセンスのいい人がいる。
無から何かを作り出さなければならない時、私は何も思い浮かばない。
なのに、見渡せば見渡すほど、ああ、あんな考えが出来るのか。
そんなことができるのか。何故出来ないんだろう。ってどんどん自信がなくなっていった。
もっと自分の知らないものをもっとたくさんみて、感性を高めるべきなんだと思っていた。
どんな道にすすんでも、きっと周りを見ると自分と比べたりして、落ち込んだりする人がいるんだろう。そのうちの一人である私。
私の得意なことは何か、吸収は早いと自分で思っているが、これ!といったこだわりが今のところ見つからない。 だから、どんな意見も否定ではなくそうなんだ、と思って受け入れられる。けれども、それが私のセンスにつながりはしない。
だからこそ、思い切って感性はどうやったら高められるのか。
モノをつくるときのセンスはどうしたら高めていけるのか、ふと、とある人に聞いてみた。
目の澄んだその人はこういった。
あなたの作品は、あなたの個性が出ています。
此処にもし、例えば50冊の本があって、そのうちあなたが3冊しか読んだことがなかったとして、あなたはそのうちの1冊がお気に入りである。 けれど、その好みは今はそうでも変わっていくことがあるし、他の本がものすごく自分にあっているかもしれない。
ものすごく特徴的な作品もあれば、単純な作品もある。前者の方を素敵だと思う人もいれば、後者をいいと思う人もいる。
好みは様々だし、どれが正しいとはいえない。 あなたが周りをみてすごいと思う作品もあれば、そうではないと思うように。あなたがすごいと思った作品が、必ずしも他者にとってすばらしいわけではない。
もし、周りをみてよかったと思うものがあるならば、それがあなたの好みである・・・・
実際その言葉は、優しく聞こえた。けれども、なぜか泣きたいような気持ちになった。
声がきれいだったからだと思うけど。
親にも言われた。「もっといろんなものを観なさい。家の近くにある美術館、なんでもいいから、見てきなさい」と。
けれども、今まで嫌いなもの、好きじゃないものは見ないようにしてきた。
もう、そうじゃないんだ。
好きじゃないとか、関係なくいろんなものをみて、その中で自分にあったものを見つけていけばいいんだ。
私が私であるように、他と比べることもあるけれども、いいところを学んでいけばいい。
落ち込むなら前に進め!!
もっと世界を知ろう。