初々しいあなたに

 よしもとばななさん著、山西ゲンイチさんの挿絵の本、「High and dry (はつ恋)」。
生まれて初めて、ひとを「好き」になった瞬間を、覚えていますか?14歳の少女が恋をした。
ばななワールドの新たなる幕開け、心温まる永遠のファンタジー

 久しぶりに手に取ったこの本は、疲れた私を癒してくれたような気がしました。 変わったキャラクターであふれかえって、ユーモアのある作品でありつつ、現実をしっかりと見つめた作者の心意気が伺えるようでした。14歳と、絵の教室の先生の恋。現実で言えば、認められないような恋かも知れない。それでも、初恋ってすごくいいものだと思える。
 私の初恋は、幼稚園のころだった。その人とは、今も連絡を取っている。遠く遠く、離れていて、今はなんていう気持ちかわからないけど、また再び会えたとき、どんな気持ちになるのかなって思うと、少し笑えるな。
 すこし、落ち込んでいる方や、恋をしている方にお勧めです。
 

High and dry (はつ恋)

High and dry (はつ恋)

 しかし、本を読んでいて一番思ったのは、絵を描くことが私は好きなのですが、いつも、決まりきったことを書いているような気がしたのです。
 決まりきったことが苦手、縫い物のように、はじめから決まっていることをするのが苦手といっていた私なのに、実際生活していて絵を書いて見ると、枠にはまった絵しかかけない自分がいたのです。
 絵は、すべてを語ります。目と同じように。悲しいときは悲しい色に。とある国の子供達は、戦争をきっかけとし、絵を描くと黒と赤しか使わなくなったそうです。しかし、治安もよくなり、平和になっていくにつれ虹を描くなど、心の変化が絵を見て一目瞭然だったらしいです。
 そのように、私の絵は枠に固まったまま、だからこそ、もっともっと想像力を豊かにしていける絵を描いてみたい。将来、絵描きにはならないけど、心の中がカラフルな大人になっていたい。(笑)